
ヴァージン③ リチャード・ブランソン・著
前回の続き。
本「ヴァージン」より、
「リチャードの性関係・女関係について」シリーズでお伝えしていた。
①初オナニー
②校長先生の娘シャーロットとの初体験
③ハウスボートでのマンディとの刺激的な出会い
④まるで妖精のようなブロンドヘアのアメリカ人女性、クリステンとの出会い
⑤最愛の女性、ジョーンとの出会い
第3回目の今日は④からスタートだ。
④−1 まるで妖精のようなブロンドヘアのアメリカ人女性、クリステンとの出会い
時はさらに少し進み、彼が21歳の誕生日を迎えようとしていた頃。
(以下、原文引用。)
「やりたい放題の生活に加え、
マナーハウスで会ったばかりのクリステン・トマッシという美しいアメリカ人女性にぞっこん惚れ込むことになるのだった。
ある日、
私はマナーハウスでみんなで飼っていた
アイリッシュ・ウルハウンド犬の
ブートレッグを探していた。
二階に上がり、
廊下を歩いて行って、
すべてのベッドルームのドアを開けて
「ブードレッッグ」と呼んでみた。
ある小さなベッドルームのドアを開けると、
綺麗な背の高いアメリカ人女性が着替えているところだった。
彼女はどちらかといえばファニー・フェイス、
悪戯っぽい顔をしていて、
ブートレッグよりもはるかに魅力的であっただけでなく、
一人きりで、
肌にぴったりの古いジーンズを履いて、
黒いブラジャーだけをつけて立っていた。
「そのままでいた方がすごく魅力的だよ」
私はいった。
「僕だったらそれ以上身に着けないけどね」
「なぜブードレッグなんていって騒いでいたの?」
彼女は尋ねた。
「ブートレッグは僕の犬で、
アイリッシュ・ウルフハウンド犬なんだ」といって、
見当違いなことも付け加えた。
「それにビートリスも飼っているんだよ」
残念ながらクリステンはシャツを着てしまったが、
誰かが彼女を呼ぶまで一時間ほどおしゃべりをすることに成功した。
彼女は夏休みにイギリスに遊びにきて、
あるミュージシャンに会った。
彼はマナーハウスでバックとして演奏をしていた。
彼女は彼と一緒にドライブがてら、ここにやってきたのだった。
我々は別々の車でロンドンに向かった。
クリステンはボーイフレンドのミュージシャンと一緒、
私は一人きりだった。
再び会えるかどうか分からなかったが、
とにかく私は彼女の後を追った。
ロンドンまでずっと後ろをつけて、
最後に彼女にメモを渡そうと決めた。
運転しながら紙の切れ端に、
七時に電話をかけてくれるようメモを書いた。
アクトンの交通信号で止まるまで待って、
それから車を飛び出して駆け寄った。
クリステンの側の窓を叩くと、
彼女は窓を開けてくれた。
「お別れを言いたくてね」
と私はいって、
彼女に近づいて頬にキスをした。
「じゃ、アメリカへの帰りの旅、楽しんでね」
こう言いながら、
こっそりと手を車の中に滑り込ませ、
下の方に伸ばし、
彼女の左手の中にメモを押し付けた。
クリステンの指が私の指を握り締めると、
私はそのメモを渡した。
私は彼女のボーイフレンドに笑みを送った。
「レコーディングがうまくいっていたらいいね」
信号が変わって、
交通渋滞の車が後ろでクラクションを鳴らし始めた。
私はクリステンの目を見たが、
彼女は真っすぐ前方を見つめていた。
私のメモは彼女の手の中にあった。
自分の車に戻って、アルベルタに向かった。
私は電話の横に座ったきり、
自分らしくもなく全く電話をかけずに7時まで待った。
そして電話が鳴った。
クリステンだった。
「私、公衆電話からかけているの」
彼女はいった。
「ジョンに聞かれたなかったの」
「電話ボックスを出て、タクシーをつかまえられないかい?」
私は尋ねた。
「来てくれよ。
アルベルタという名前の船に住んでいるんだ。
タクシーの運転手に、リトル・ヴェニスのブロムフィールド通りに行くようにいうんだ。
塀のところに小さな木のドアがあって、
そこから船引き道が続いている」
彼女は慎重に間を取った。
「まるで不思議の国のアリスのようね」
クリステンは言った。
「10分後に行くわ」
そう言って彼女は私のところにやって来て、
そしてアルベルタでの二度目の嵐のようなロマンスが始まった。
翌朝、
私はドーヴァーに仕事へ行ったが、すぐに帰りたかった。
クリステンがまだアルベルタにいるかどうか、
確かめるために戻りたくて仕方がなかったのだ。
リトル・ヴェニスの船引き道に沿って、
私はボートに向かって歩いていた。
1971年5月の最後の週で、
船引き道沿いのりんごの木は満開の花をつけていた。
クリステンはどこかに行ってしまっていて、
いなかった。
慌てて彼女のボーイフレンドのアパートに電話をし、
彼が電話に出ると、
私はアメリカ人のアクセントで話した。
「クリステン・トマッシさんはいらっしゃいますか」
私は言った。
「こちらはアメリカン航空です」
「お待ち下さい」
「クリステン」
私は囁いた。
「リチャードだ。
旅行代理店と話しているような振りをしてくれ。
できるだけ早く電話をかけ直してくれよ。
公衆電話に行ってね」
「どうもありがとうございました、
そうさせていただきますわ」
クリステンはそう言って電話を切った。
15分後に電話が鳴った。
クリステンだった。
「ちょっとそのまま待っていてくれ」
私は彼女に言った。
「オーケー、エディ」
私は受話器を握りしめながら言った。
「行ってくれ」
エディはヴァージンの運転手で、
レコードの配達をすべてやっていた。
彼はクリステンのボーイフレンドのアパートに向かって出発した。
「クリステン」
私は言った。
「そこの電話番号を教えてくれ。
もうしばらく時間がかかりそうだから、
こっちからかけ直すよ」
彼女にもう一度電話をかけて、長電話をした。
考えられるすべての方法を駆使して、会話を引き延ばした。
20分後にエディがアパートから戻ってきた。
彼はクリステンの衣服を全部スーツケースに入れて、持ち帰ってきた。
彼はボーイフレンドに、
クリステンは私のところに転がり込むことになったのだ、
と言った。
「クリステン」
と私は言った。
「君はこっちへきた方がいいよ。
君に見せたいものがあるんだ。
すべて君のものだよ」
私はそれが何なのか、明かさなかった。
彼女の好奇心は増幅し、
アルベルタにやってきた。
彼女は私に別れを告げ、アメリカに戻るつもりでいたのだ。
彼女が来た時、
私はスーツケースを持ち上げて見せた。
彼女は取り戻そうとしたが、
私はスーツケースを開けて、
衣服をボート一面に撒き散らした。
そして彼女を抱き上げて、
ベッドルームに連れて行った。
私はクリステンと恋に落ち、
彼女がアメリカで建築の勉強を終了するために帰国するのを止めようと、
彼女にマナーハウスの改築の仕事を頼んだ。
「いいかい?」
私は言った。
「建築家になるために6年間も勉強することはないよ。
実践を始めればいいのさ」
説得に手間取ることはなく、
彼女は最後に同意して、
仕事を始めた。
彼女は生まれながらに完璧な趣を持っていた。
長いブロンドの髪で、
色白でほっそりとしており、
ほとんど妖精のような顔をしていた。
そしてクリステンは、
マナーハウスのための大きな印象的な家具を競り落とすなど、
たちまちロンドン中のオークションの店でなじみの顔になった。
1972年7月22日、
クリステンと私は
シプトン・オン・チャーウェルの小さな教会で結婚した。
私は22歳になったばかり、
クリステンはまだ20歳だった。
私たちは前の年の5月に知り合ったばかりだった。
結婚式に先立って送ったパーティーの招待状を今でも持っている。
そこにはこう書いていた。
「クリステンと私は結婚することにしました。
そして、
これはパーティーの良い口実になると思いました。
豚の丸焼きを用意してあります。
豚肉は長持ちしませんので、
必ずお越しください。
スカフォールドのバンド演奏もあります」
マナーハウスの良いことの一つは、
すばらしいパーティーをするのに適しているということだ。
喜んで演奏してくれるバンドがいて、
泳げる川があり、
暖炉付きの広い部屋があり、
そして陽当たりのいい回廊のある中庭があった。」
いやはや、今度は信じられないほど大胆な行動に出て彼女を落とした。
いや、奪った。
そしてついには結婚までした。
それにしても、リチャードはこういう行くときの勢いがハンパない。
私もこれくらいの大胆さと勢いを身に付けたい。
さて物語だが、クリステンとの話が長かったため、2部に分けさせていただく。
もう最初のタイトルでお気付きの方も知るかもしれないが、
次回は④ー2というかたちで書くこととする。
本日もここまで読んでくれてありがとう。
次回は第4回だ。
お楽しみに。
では。

